福岡県には、県の無料伴走支援・補助金、福岡市のデジタル化診断・伴走支援などがあります。

ただし、2026年度の県補助金は「ツールを買えば使える制度」ではありません。福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターの支援を受け、DX・生産性向上支援計画に位置づけられることが前提です。さらに賃上げ要件があり、支援計画の作成には約2〜3か月を要します。

この記事では、2026年7月23日時点の公式情報を基に、利用できるAI・DX支援と、AI業務代行費の扱いを整理します。

制度情報の確認日:2026年7月23日。締切、予算、対象要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ページ、公募要領、事務局回答をご確認ください。

福岡県のAI・DX支援制度を比較

制度・窓口 実施主体 主な対象 支援額・内容 2026年7月23日時点
中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金 福岡県 県内事業所を持ち、センター支援と賃上げ等の要件を満たす中小企業等 補助率2/3または3/4以内。小規模支援200万〜225万円、大規模支援2,000万〜2,250万円 6次締切は8月17日正午
中小企業“稼ぐ力”応援センター 福岡県等 県内中小企業 DX、生産性向上、先進モビリティを専門家が無料伴走 随時相談
ふくおかデジタルプラス 福岡市 福岡市内の中小企業 無料診断、相談、セミナー。約20社に最大5回の個別伴走 2026年度実施中
経営改善サポートデスク 公益財団法人福岡県中小企業振興センター 県内中小企業者等 DXやWeb活用を含む経営改善相談。無料 2026年5月1日開設
福岡市中小企業サポートセンター 福岡市 市内中小企業等 ITを含む経営相談。無料、オンライン可 事前予約制
DX・生産性向上支援資金 福岡県 県制度の要件を満たす中小企業 融資上限1億円、利率1.60%。対象区分により保証料率が異なる 2026年度制度

福岡県では相談・計画策定・補助申請がつながるため、最初にセンターへ相談します。

福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金

福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金は、省力化等によって生産性を向上させ、賃上げに取り組む県内中小企業等を支援する制度です。

対象企業と前提条件

主な条件は次の通りです。

  • 福岡県内に、生産性向上に取り組む事業所を有する
  • 業務プロセスの効率化・省力化に高い意欲がある
  • 福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターへ申し込み、DX・生産性向上に取り組んでいる
  • 従業員を雇用している場合、補助事業終了時までに事業場内最低賃金を30円以上引き上げる
  • センターが作成した、または妥当と認めた支援計画に事業が位置づけられる

補助事業は福岡県内の工場・事業所や従業員等を対象とし、省力化等による生産性向上に効果的である必要があります。

補助率と上限額

最低賃金の引上げ額 補助区分 補助率 上限額
30円以上60円未満 小規模支援 2/3以内 200万円
30円以上60円未満 大規模支援 2/3以内 2,000万円
60円以上 小規模支援 3/4以内 225万円
60円以上 大規模支援 3/4以内 2,250万円

対象経費には、省力化・生産性向上に効果的な装置、ソフトウェア、クラウドサービスの使用料・ライセンス料、情報システム構築の委託料、付随する教育訓練費などが含まれます。

一方、交付決定前に発注・契約したもの、事業期間外のクラウド利用料、通信費、自社従業員の人件費、保守管理費、汎用パソコン等は原則対象外です。汎用品でもシステムの一部を構成する場合は対象となることがありますが、自己判断は避けてください。

締切と実務上の注意

2026年7月23日時点で案内されている次の締切は、6次募集の2026年8月17日正午です。補助対象期間は2027年2月15日までに終了する見込みの事業です。

ただし、センターへの申し込み後、支援計画の作成に約2〜3か月を要すると明記されています。まだセンターへ相談していない企業が、8月17日の締切だけを見て短期間で申請できるとは限りません。まずセンターに現状を伝え、対象回と実現可能なスケジュールを確認してください。

AI業務代行に利用できるか

制度上、情報システム構築の委託料、ソフトウェア、クラウド利用料などは対象経費に含まれます。そのため、次のような費用は、支援計画に位置づけられれば対象になり得ます。

  • 注文書や帳票を処理するAIシステムの構築
  • 既存システムとAIサービスを連携する開発
  • 対象期間中のAIソフトウェア・クラウド利用料
  • 導入に付随する社員教育

一方、AIを使った営業事務や経理処理などを外部事業者が毎月代行する費用は、情報システム構築ではなく役務の継続提供と判断される可能性があります。また保守管理費、自社人件費、対象期間外の利用料は対象外として示されています。

AI業務代行は見積を「業務分析」「構築」「利用料」「教育」「運用」「保守」に分け、センターと県へ事前確認してください。採択や対象認定をサービス会社は保証できません。

全国の自治体制度と比べたい場合は「全国自治体・中小企業向けAI・DX支援制度マップ2026」をご覧ください。

まず相談したい福岡県の無料支援

福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センター

福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターは、従来のDX推進センターをリニューアルした支援拠点です。DX推進、生産性向上、先進モビリティ産業の3領域を扱います。

福岡県の案内では、専門アドバイザーが企業の現場に赴き、改善の実行と定着まで無料で伴走します。DX・生産性向上は利用期間・回数の制限なく継続利用できるとされています。県補助金の利用を考える企業は、原則として最初にここへ相談します。

相談時には、処理件数、作業時間、人員、ミスを持参すると、支援計画につながりやすくなります。

福岡市「ふくおかデジタルプラス」

福岡市内の中小企業は、ふくおかデジタルプラスも利用できます。2026年度は、無料のデジタル化スタート診断、セミナー、対面・オンライン相談、個別伴走支援、成果報告会を実施しています。

個別伴走支援は相談窓口利用者が対象で、選考は20社程度、2026年9月開始予定、最大5回です。

顧客管理、見積・受注対応、ツール導入、人材育成、定着を支援します。補助金ではなく、現金交付はありません。

経営改善サポートデスク

経営改善サポートデスクは、公益財団法人福岡県中小企業振興センターが2026年5月1日に開設した無料相談窓口です。金融機関OBや中小企業診断士等の専門家が、簡易経営診断、経営改善計画、販路、新商品などを支援します。DXやWebマーケティングによる売上拡大も相談例に含まれています。

「省力化したいが、利益改善とどう結びつけるか分からない」という企業は、AIツールの選定より先に経営課題を整理する用途で活用できます。

福岡市中小企業サポートセンター

福岡市中小企業サポートセンターでは、中小企業診断士が経営全般、税務、IT、創業などの相談に無料で対応します。事前予約制で、オンライン相談も可能です。

福岡市の支援制度、県・国の制度、資金調達をまとめて確認したいときの入口になります。

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福岡県の企業で優先しやすいAI活用

福岡県の公式産業紹介では、県内企業の99.8%を中小企業が占め、工業は基礎素材・食品に加えて自動車関連産業の比重が高まっていると説明されています。卸売・小売・サービス、観光、物流、製造、食品、建設、先進モビリティなど業種によって課題が異なるため、AIありきではなく、繰り返し発生し、入力と確認に時間がかかる業務から選びます。

業種・領域 小さく始めやすい業務 注意点
卸売・物流 注文書読取り、商品コード照合、納期回答案 例外様式は人が確定する
宿泊・観光 多言語FAQ、返信案、口コミ要約 個人・決済情報の入力範囲を決める
食品製造 日報集計、異常記録検索、説明文初稿 表示・アレルギー・品質は人が判断する
建設・設備 日報、過去見積検索、工程連絡案 図面・契約条件には承認を残す
営業・事務 顧客管理、見積・受注、FAX受注 先にデータの保存場所を整える

福岡県でAI導入支援会社を選ぶ5つの基準

1. 補助金申請より先に業務を確認するか

補助上限ではなく、現場の処理量と課題から対象業務を選ぶ会社か確認します。

2. 支援計画に必要な数値を出せるか

現状時間、件数、ミス率と、導入後の目標を比較できることが重要です。

3. 構築費と運用代行費が分かれているか

システム構築と継続運用を分けて見積もり、対象可否を断定しない会社を選びます。

4. 情報管理を設計できるか

入力情報、学習利用、保存先、アクセス権、ログ、事故時対応を確認します。

5. 定着までの役割分担が明確か

社員教育、出力チェック、精度改善の担当と、支援終了後に残る手順を確認します。

支援形態の比較は「AI導入支援会社・AIコンサルの選び方」を参考にしてください。Promotizeは福岡県内に拠点があるとするものではなく、全国オンラインでAI業務代行の相談に対応しています。

AI導入を6段階で進める

  1. 現状を数値化する
    件数、時間、担当人数、ミスを記録します。

  2. 公的窓口へ相談する
    稼ぐ力応援センター等を活用します。

  3. 支援計画と投資回収を確認する
    賃上げ、自己負担、補助終了後の費用も計算します。

  4. 1業務で試す
    読み取り失敗や誤回答も検証します。

  5. 交付決定前の発注を避ける
    契約・発注可能時期を確認します。

  6. 毎月改善する
    削減時間、差し戻し、利用率を確認します。

中小企業のDX推進の始め方AI導入費用・補助金の全体像もあわせて確認すると、投資判断を整理しやすくなります。

よくある質問

Q1. 福岡県のAI・DX補助金は2026年度も受付中ですか?

福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金は、2026年7月23日時点で6次募集の締切が2026年8月17日正午と案内されています。ただし、必要な支援計画の作成には約2〜3か月を要するため、未相談の企業は間に合うと断定できません。

Q2. 補助金を利用するにはセンターへの相談が必要ですか?

はい。この補助金は、福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターへ申し込み、センターが作成または妥当と認めたDX・生産性向上支援計画に事業が位置づけられることが要件です。

Q3. ChatGPTなどの月額利用料は対象ですか?

クラウドサービスの使用料やライセンス料は対象経費に含まれますが、支援計画との関係、対象期間、交付決定時期などの条件があります。特定サービスが対象になるかはセンターと県へ確認してください。

Q4. AI業務代行の費用も補助されますか?

システム構築や対象期間中のソフトウェア利用は対象になり得ますが、毎月の業務代行、保守管理、対象期間外の利用料は対象外となる可能性があります。見積項目を分け、申請前に確認する必要があります。

Q5. 福岡市外の企業も「ふくおかデジタルプラス」を利用できますか?

同事業は福岡市内の中小企業が対象です。福岡市外の県内企業は、福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターや経営改善サポートデスクなど県域の窓口を確認してください。

Q6. 福岡県外のAI支援会社へ依頼できますか?

民間サービスは全国オンライン対応の会社もあります。ただし、補助金での発注先要件や県内実施要件は制度ごとに異なります。公募要領と事務局の回答を優先してください。

まとめ:福岡県ではセンターへの早期相談が出発点

福岡県の2026年度支援は、無料伴走と補助金が連動している点が特徴です。補助率・上限額だけを見るのではなく、センター支援、計画作成期間、賃上げ要件、補助対象期間を一体で確認しなければなりません。

福岡市内の企業は、ふくおかデジタルプラスも利用できます。現状業務を数値化し、AIツール、システム構築、業務代行を分けて比較してください。

補助金がなくても効果を測れる1業務から始めることが、失敗しにくい進め方です。